ふぐの毒について Poison

ふぐの毒による中毒症状は一般的に食後20分~3時間程度で現れます。
症状は唇や舌先のしびれなどから始まって、指先といった末端の痺れが続いていくのです。
また、頭痛や腹痛、腕痛など伴う事もあり、歩行困難、言語障害、呼吸困難、血圧低下などの症状が起きます。
最悪なケースでは、呼吸麻痺により、死に至ります。
ふぐ毒はテトロドトキシンという毒で、神経系や筋肉に麻痺を起こします。
熱に強く、酸にも強いので、鍋にしたり水洗いしたり、酢で締めたとしても毒は分解されないのです。
毒のある箇所は以下の表の通りとなります。

猛毒 強毒 弱毒 可食
とらふぐ 肝臓 卵巣 胃、腸、腎臓
心臓、脾臓、胆嚢
えら、目
身、ひれ、かま
くちばし、精巣(白子)
まふぐ 肝臓、卵巣 腸、皮 胃、腎臓
心臓、脾臓
胆嚢、えら、目
身、ひれ、かま
くちばし、精巣(白子)
ごまふぐ 肝臓 卵巣 胃、腸、腎臓
心臓、脾臓
胆嚢、えら
皮、 目
身、ひれ
かま、くちばし
精巣(白子)

ふぐの調理には資格が必要です!!

ふぐには毒が存在しますので、
適切な処理を行わなければ、食中毒を起こし、最悪の場合死に至ります。
そのため、ふぐを調理して顧客に提供する場合は
ふぐ調理免許が必要となっており、「ふぐ処理師」
又は自治体が認定した「認定ふぐ処理師」以外の者が食用の
ふぐの処理を行う事は禁止されています。

ふぐの魅力と効能 Appeal&Effect

ふぐの旨みは「河豚は食いたし命は惜しし」という、言葉わざができるほどです
ふぐは、のどぐろ(あかむつ)と同じく「白身の王様」と呼ばれます。
のどぐろは脂がのったコクある白身。
一方ふぐは、高タンパク低脂質でも旨みやコクが格段に違います。
以前は、高価で食べる機会が限られていましたが、
養殖の技術が進み以前に比べ気軽に家庭でも食べられようになっています。
そんなふぐの優秀な栄養と健康への効能についてご紹介します。

ふぐに含まれている
コラーゲンが美肌効果有り!!

ふぐは、コラーゲンが豊富で、ふぐの皮や骨の周りにあるゼラチン質の中に含まれます。
コラーゲンは、シミやしわを防ぎハリを保つ美肌づくりの効能があり、とくに、ふぐに含まれるコラーゲンは肌への吸収性が優れた「海洋性コラーゲン」です。
そのため、より美肌効果への期待ができます。
美容に関心がある女性には、うれしい栄養です。

肌荒れ予防や
ダイエット効果

ふぐには、ビタミンB群の一つナイアシンが含まれています。
ナイアシンは、消化活動に必要な酵素を助ける役割をもつ栄養で、体内で補酵素として働き、脂質や糖質の分解やエネルギー作りなどをサポートします。
その働きが肌を綺麗に保ったり、脂肪の燃焼と高タンパク低脂質がダイエットにもつながります。
ふぐにはコラーゲンもたっぷり含まれているので、このふたつの栄養素を同時に摂取することで、さらなる美容への効能が期待できます。

高血圧予防の
タウリンが豊富

ふぐには、タウリンも含まれています。
タウリンは、アミノ酸のひとつで、心臓や脳、肺など人間にとって大切な臓器に含まれている栄養です。
肝臓や心臓、血管の機能を高めたり、高血圧の改善があるなど優れた効能があります。
こうしたカラダの基本部分で働くタウリンですが、体内で作られる量が少ないため、食事から摂取する必要があります。

ビタミンDが豊富で
丈夫な骨作りを!!

ふぐにはビタミンDが豊富に含まれています。
ビタミンDはカルシウムの働きをサポートするため、健康な骨や歯を作るうえで欠かせない栄養です。
また、ふぐには、丈夫な骨をつくるうえで必要なカルシウム、マグネシウム、リンを含みます。
また、コラーゲンには骨のしなやかさを保つ効能もあります。

こちらでは、当店のふぐの食べ方を動画でご紹介しております。
ぜひ御覧ください。

天然物・放流物・養殖物の違い Difference

  • 天然物

    トラフグで一番高級なのは天然物です。
    これは、その名のとおり荒海でもまれた
    トラフグです。
    天然物のおいしさの理由はエサにあります。
    雑食性で貝類・エビ・カニ・シャコなど甲殻類を好むため

  • 放流物

    放流物とは、孵化した稚魚を海に放流して
    その回遊経路を調べることを目的としたふぐで、放流物であるという印が付いています。
    捕獲したときにその印を確認し、回遊経路を確認します。放流物は天然物より3割ほど安い値段が付くようですが、
    味は天然物とほとんど変わりません。

  • 養殖物

    養殖トラフグは安く提供できますが、
    おいしさがエサによって左右する魚なので、
    おいしいかおいしくないかは養殖環境によって変わります。トラフグの養殖は熊本県でさかんで、下関で扱われている安いトラフグは熊本県産が多いようです。
    また、中国から輸入されているトラフグは、エサが悪いためおいしくないといわれています。

養殖ふぐには毒がない!?

「養殖のふぐには毒が無い」と言われていますが、
実は養殖のふぐでも毒を持っている可能性があります。
ふぐは食物連鎖によって毒化するので、
プールのような水槽で毒の無い餌を与え続けて成長すれば、
理論上、無毒のふぐを作ることが出来ます。
ただ、実際の養殖では、海に網の囲いをしていたり、
天然物に近づけるために湾内を仕切って養殖していたりしますので、
その場合は、網の間から侵入してきた毒化プランクトンや毒化した貝類などを養殖ふぐが捕食して毒化するケースも大いにあります。